ビール離れが進む中、存在感を増す「黒ビール」  新たな



 ビール酒造組合が5月に発表したビール市場動向レポートによると、平成24年4月の輸入ビールを含めた大手5社の課税済み出荷量は21万9,810キロリットルで、前年度を14.7%下回った。1月から4月の累計では、前年同期比で3.2%のマイナスだった。
 3月の課税済み出荷量は、前年の東日本大震災の反動に新製品効果も加わり、前年比111.8%と2006年以来6年ぶりのプラスに転じたものの、4月は稼働日が昨年より0.5日少ないことに加え、昨年4月は震災被害の復旧が進み、生産と出荷体制の回復による反動増があったことから、大幅なマイナスとなった。
 ビールは安価な第三のビールなどに押されて消費が減少傾向にあるだけでなく、最近ではノンアルコールビールが消費者の支持を受けており、市場規模が縮小している。そんな中、「黒ビール」が存在感を増し始め、新商品の投入が相次いでいる。
 その1つが、アサヒビールから4月3日に発売されたスーパードライの黒ビール版「アサヒスーパードライ ドライブラック」だ。黒ビールユーザーのみではなく、今までに黒ビールを飲んだことのない若い世代の人にも口にしてもらえるよう、黒麦芽由来のコクがありながら、キレ味のよい「ドライテイスト」を楽しめる、爽快な味わいの黒ビールに仕上げたという。
 また、キリンビールには一番搾りの黒ビール版「一番搾り スタウト」がある。スタウトは、濃色麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いビールのこと。「一番搾り スタウト」は、ロースト麦芽とカラメル麦芽を使い、一番搾りならではの製法によって、まろやかなコクとクリーミィな泡を実現。本格的な大人の黒生ビールに仕上げた。
 一方、「黒ビール」が注目され始めたことで、黒ビールテイストの発泡酒も登場している。サッポロビールは、新ジャンルの「サッポロ 麦とホップ<黒>」を、3月28日から通年での販売に吉変えた。昨年10月に数量限定で発売したところ、再発売を望む声が多く寄せられたのだ。原料の麦とホップは協働契約栽培原料だけを使用し、新ジャンルでありながら、本格的な黒ビールが持つコクと苦味を実現した。価格はオープン。年内販売目標を150万ケースから2倍の300万ケースに上方修正している。
 最近は「濃い味」が静かなブームとなっていることからも、ビールの中でも味が濃い黒ビールは、ビール市場の拡大に影響を与えるのかもしれない。
(サイトウ イサム 、 加藤 秀行)
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by pachifu | 2012-06-11 03:10